「ふーちゃんは殺されたんだ!間違いないよっ!」
 霜月はそれが当然であるかの様に、僕たちにそう言った。
 霜月は僕と違い妙に勘が良いところがあるが、しかし、そんなことを急に言われてもすぐに信じられるわけはないわけで。
「誰が殺したって言うのよ?」
 文月のお骨の入った壺に線香を添えていた母が言う。母卯月は文月が逝くところを看取っていた唯一無二の存在だ。
 果たして、こんな中、どうやって殺されたなどと判断したのだろう。
「そういうからには証拠あるんだろうね、霜月」
「霜月じゃなくてしーちゃんだよ、むーちゃんっ♪」
 こんな状況でも笑顔でそういう霜月に「…ハイハイ。」と少し呆れ気味で答える。
「それに」と、霜月が壺を指差す。「証拠はこの通り、消された後なんだっ♪だからこれはしーちゃんの記憶力を頼りにするしかないんだよっ♪」
 …証拠はないらしかった。
 こんなことが起こっているのは、元はと言えば文月が死んだからなのだった。霜月が言うからにはここ数日……ひょっとしたら数時間の出来事の中に証拠が隠されているということらしい。はて、何があったか…?