櫻の花弁の舞う季節。
 僕はそんな季節に生まれたかった。
 実際は、というと。
 それはもう、寒くて、寒くて。
 生物は皆、春を待ち侘び途方に暮れている季節である。
 そう、冬。
 僕は冬生まれなのだった。
 それに対して彼女は。
 櫻舞い散り植物の芽吹く季節。
 そう、春生まれ。
 櫻の花の季節に見合ったその姿は勿論美しく、僕にはとても眩しい光のような存在だった。
 そんな彼女に初めて話しかけた後に、
「はあ?何言ってんのォ?」

 彼女のイメージが、崩れた。
「あなた誰?私あなたと話すの初めてなんだけど。初対面で普通そんなこと言う?言わないよねぇ?言っとくけど一目ぼれならお断りよ?うちの性格を本当に知っててそう言ってんならいーけど、もう、この通り、この通りよ?私からはもう忠告はしないわ。これはささやかな私からの親切な行為と受け取ってくれてもいいけど、あなたのことを好きだなんて誤解しないでね。」
 好き。
 そういったら、こうなった。
 はは、でも・・・・・・こういうのも、面白い。
「なーににやにやしてんのよ?いい?私はあなたを足蹴にする人間なのよ?そんな人間に付いていったらどーなるかくらいあなたの頭ででも想像できるでしょ?それとも既に重傷?キャナットリターンユアセルフ?わけわかんないわね。とーにーかーく、あっちいって。目障り。」
「あのー・・・。」
「何?」
「非常に言いにくいんだけど、僕の席、君の後ろ、だから。」
「え。」

 この気まずい中およそ一ヶ月も過ごすことになろうなんて、僕には想像出来なかったと言ったら、無論嘘になる。このくらい、わかっていた。わかってたけど。ダメージでかいなぁ・・・。(end)