ピーッ。 誰かがボタンを押した。
押したのは独旅さんだった。
ドアが開いた。
「よかったーぁ。無事着いたーぁ。」
 アイがのん気にそんなことを言う。
「アイ、早く行かねーと先生来ちまうぜ。」
と、マリが言う。
 うちの学校は8時15分から自習をし始め、30分からH.R.を始めるのだ。
「そーでしたーっ。」
 アイはまた慌てた。
「あーん。どーしましょ、どーしましょっ。きゃーん、セイ君、どーしましょっ。」
 さっきと似たよ―なセリフだ。
「『きゃーん、セイ君、どーしましょっ。』って言われたって困るよ。」
 セイは困っている。
「アイちゃん、こーいう時は落ち着かないと。犯人は必ずここに戻ってくる!」
 アケミが全然関係ない……(呆れてる)……ことを言う。
「お客さん、早く降りて下さい。」
 しまった、降りるの忘れてたっ。
 

「うえーん。」
 アイが泣くマネをする。
「どーした、アイ。」
と言いつつ、慌てていない冷静なマリ。
「どーしたんだっ!」
 セイが大真面目にそう言う。
「初めて廊下に立たされたぁっ。」
 アイ、実は本当に泣いている……。
 ボクは泣く子は苦手なんだ。
 だけど……(呆れてる)……、やっぱりアケミとアイはイトコだなぁ、と思う。
「……わたしも……」
と言って、独旅さんも泣き始めた。
 うえーん、うえーん。
 ……ヒック。
 うえーん……。
 ……ヒック。
 泣き声が廊下に響き渡る。
 やっぱり……アイと独旅さんはイトコだなぁ、と思う。
 

「セイっ!」
「何?美朋。」
 セイが穏やかな声で答える。
「キミは転校せいなんだから……」
『ボクが転校してきて二日経ちました。さぁ、みなさん。ボクは皆さんのクラスの一員です…』
という、セイの声が心に響いた。
「会議室にっ……行かないのか……」
 何かおマヌケになってしまった。


いい
かぁ。
時は過ぎ
風も舞う。
何だか詩の様
ほんのちょっと
イキヌキしよう。
でもだめだよねぇ。

 だって……。
 ああっ、忘れてたっ!
 遅刻したのにイキヌキ?
 冗談じゃないっ!
 もっと真剣でいなくちゃ。
 反省しなくちゃっ!

 あ、そうだ。
 ボク、セイに訊きたいことがあったんだった。
「そういえば…なんでセイは今の地球に来たの?」
「…」
 セイは黙り込んでしまった。
「ねぇ?…言いたくないことなの?言えないことなの??」
 するとセイは独旅さんの方をちらっと見て、
(…今日…何日?)
とESPを使って訊いてきた。
(え?5月13日だよ?)
(そっか…じゃあ…明日…)
(明日?何??)
 ボクが追求すると、セイは、
(…明日ボクの先祖が自殺しようとするみたいなんだ…)
と言った。
「ええっ!?」
 ボクはかなり大きな声で叫んだので、みんながこっちを見た。
「美朋、どうかした?」
とマリが訊いてきた。
「あ、な、何でもないっ。」
 なんとかごまかすと、みんなは、またそれぞれの見ていた方向に顔を向けた。