とりあえずトボトボ歩き家に着いた。
「ただいまー。」
 ドアを開ける。
「おかえりー。」
 遠方から返事が返ってきた。
 ちなみに、今キャロライナはサックスに戻っている。
「随分とまた遅かったのね。もう7時過ぎてるわよ?」
 母の声。
 うちから学校までは徒歩10分ほどしかかからない。
 下校時刻は6:30である。
 ちなみにオレらが学校を出たのが6:20頃(部活が終わったのは6:00前だった)だった。
 つまり、あの横断歩道を渡ったところで30分くらいキャロライナと話していたのだ。
「じゃあ、勝手に味噌汁温めてご飯よそって、調理台の上にあるおかずを温めて食べてね。」
と言い残し、母は玄関を去った。
「わーってるよ。」
 一応返事してみたり。

 ご飯を食べ終えたオレは急いでシャワーを浴び、風呂場から出た後持って帰ってきた荷物を持って自分の部屋へと向かった。
 戸を閉め、カーテンを広げ、外から部屋の中が見えないようにしてから、サックスをベッドの上に置き、キャロライナを呼ぶ用意をする。
「おーい、キャロライナ、出てきていいぞ。」
 一応小さな声で呼ぶ。
 するとさっきのように煙のようなものをサックスが吐き出し、煙の色が薄まると彼女の姿があった。
「はいはーい、あら、翔は服を着替えたのね。」
「一応風呂に入ったし、制服のままだと窮屈だからな。で、いきなり本題になるけど、“月の陰”達の居場所は何処なんだ?」
 いつまでも床に座ると体が冷えるので、ベッドの上に座り直しながら訊くオレ。
「今まで私の感じていた魔力や妖力の度合によると…学校の近くにある公園の周り辺りだと思うわ。あの辺だけ、他の所と違って魔力が何十倍もあるのよ。」
 公園の周り…か。
 誰か知り合いが居たかな…。
「じゃあ、丁度明日休みだから、その周辺を探すか。魔力や妖力の気配…わかるんだよな?」
 コクン、とうなづく彼女。
「もちろんよ。じゃ、明日ね。」
と言い、キャロライナはサックスの中へと消えた。

 明日、一体ゆきは何をオレに言いたかったのだろう。
 重要な…か。

 とにかく明日から捜索開始だ!