「いっぱい買っちゃったね。」
 アルマが両手に荷物をかかえながら言う。
「そうだね。後でウィンドに乗せなきゃ。」
「わかってるよっ☆あと少しで日の沈む刻になるしね!急ごう!」
 ピューッとアルマが“鳥の楽園”へと急いで飛んで行った。
 アルマがウィンドを見つけて連れてくるのを待つため、“鳥の楽園”の近くにある公園で私とシリアは待った。
 公園にあるブランコに座ってみるシリアと私。
「ねぇ、フィラ。」
 不意に、シリアが話しかけてきた。
「何?」
「ドキドキしてる?」
 私の顔の様子を窺(うかが)うようにシリアが見つめてくる。
「うん、そうだね。だって、パーティにお呼ばれするなんて……クラウドからは、初めてのことだし。」
 なんとなくだが、背負っている鞄の中の“たまご”が微かに動いた気がした。
「……来てるよ……ね?……」
 シリアに確認を取る。
「……来てる……な。」
 そして、1、2の3、でブランコから飛び降り、後ろを振り向いた。
「ルーディ!!」
 シリアと声を合わせて言う。
「あっら、バレバレ?」
 のん気に言うルーディ。
 ルーディ“たまご”を狙う妖怪の一人。
 といってもまだ小悪魔なんだけど。
「ちょっと空を散歩してたらあんたらを見かけてね。お土産に“たまご”と、ついでにあんたももらっていきたくてサ。」
 私を指差しながら、おちゃらけて言う。
「よくこりずに何度も来るんだな。あきれるほど図太い根性だね。オレがいる限りフィラから“たまご”を盗るなんて不可能なのに。」
 少し怒り気味のシリアが言う。
「……フィラに手を出すなんてもってのほかだよっ!」
 ……いや、かなり怒ってた……。
「フン、それはどうだか。オレだって一応毎日修行してんだっ!」
 ルーディがむっとする。
「おまえら小悪魔のガキの力と、式神であるオレの力を比べるな。オレにとっておまえらの力は蟻同然だからな。」
 ルーディを嘲るようにシリアが言う。
 そのコトバを聞いて怒りを露(あら)わにするルーディ。
「なんだと~!?オレをなめるな!インフラマティオ!!」
 すると、ルーディの掌(てのひら)からシリアを包み込めるほど巨大な炎が現れた。
 しかし次の瞬間、シリアが両手のひらに水(空気中にある水分だと思う)を集め始め、その炎に向かって投げると、巨大な炎は消えた。
「くそう!これでどうだ!えいっえいっえいっ!!」
 ヤケになり始めたルーディは小さな炎を幾つもポイポイとシリアに投げ始めた。
 荒い息の絶えないルーディ。
「ぜー、はー、ぜー、はー……」
 ポイポイと投げるルーディの炎は、シリアの水の壁によって虚しく消滅していく。
 ルーディが一生懸命勝負を仕掛けているのに対し、シリアは余裕そうな笑みを見せている。
 私と“たまご”のための、勝負を…。
「見事…だ…シリア……」
 感嘆の意がこめられたコトバが、私の口から零れた。
 ルーディは力が尽きたようで、黒翼で飛ぶ姿も弱弱しい。
「畜生、覚えてろっ!!」
 悪者の決め台詞を吐いて、彼は弱々しく空の彼方へと飛んでいった。
「次は気配、ちゃんと消せよなー。」
 からかうようにシリアが言う。
「じゃ、災いも去ったことだし、ブランコにまた乗ろうか。」
 私の言葉に、シリアはうなづいた。
「何でルーディはそんなに“たまご”を欲しがるんだろう……」
 ボソ、と呟く。
「そりゃ、“たまご”は物凄い力を秘めてるからな。精霊界でも有名だし。」
 何を今更、という表情をしているシリア。
 夕空に向かって、脚を投げる。
「ふーん…私以外でも使えるの?この“たまご”は。」
 後ろに向かって脚をけりつつ、シリアに間抜けな質問を投げかける。
「……オレが使ってみようか?」
「え……」
 質問を質問で返され、たじろぐ私。

参考

「なんだかコワレ丸」の陰陽道講座。
式神っていうのが何なのかわからなかったので…。
式神は…術者の呼び出した神のこと…らしい。
「大辞林」だと「(形容詞省略)という鬼神」、広辞苑だと「精霊」と書かれている。
…まぁここは広辞苑を優先させていただきました。
あとこのコワレ丸っていうやつのサイトを見てると…
式神、エルフ耳です。(汗
神様なのに。。。鬼神だから?;
…というわけで、シリアは鬼神じゃないんで(ってことにしてください)、
耳は人間と同じような感じです。
ここでいう「式神」は、
術者の呼び出した精霊という風に定義させていただきます。。
精霊っていうとちとニュアンスが違うけど。。細かいことは気にしない~