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~6.演奏~
「えっ!?」
「……そうすれば……少しは……回復するから……」
「わ……わかった。」
オレはキャロの言った通りにサックスを吹くため、ケースから楽器などを取り出した。
そしてセットする。
カチャカチャと音を立てながら。
今、コンクールのために吹いている曲を吹こうか、それとも昨年度のソロコンテストの時に吹いた曲を吹くべきか。
「何でも……いい……翔の好きな……曲で……」
んじゃ、ソロの曲で。
♪~~♪~~♪~~
二回の廊下にオレの吹く音が響いていく。
キャロの体が回復していくことがオレにもわかった。
彼女の体が煌きらめく。
気のせいか、少し大きくなったように感じられた。
何って、キャロの背が。
「ありがとう、翔。生き返ったよ。」
オレに微笑みかけながら、彼女が言った。
「ん……こんなんで良ければいつでもやるよ。」
とにかくキャロが元気になって良かった。
さて、“月の陰”を見つけ出さなくては。
「キャロ、どこから“月の陰”の気配がする?」
キャロは静かに目を閉じる。
「……下だわ。あの、何故か気配をほとんど感じ取れなかった場所……和室の周辺から……」
えっ!?
力を消していた、ということか!?
「たぶん、さっき翔が吹いた音のプラスエネルギーのせいで、抑えていた力が溢れ出てしまったんだよ。」
なるほど、納得。
「つまりキャロと同じ、音の力の影響を受け易いやつってわけだな、“月の陰”は。」
一瞬、キャロがあわてた表情をしたのは、気のせいだったろうか。
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